2020年,私は生まれて初めて8万1000円相当のふるさと納税をしました。
マスカット,いちご,牛肉,カツオのたたき,そうめんなど地域の特産品を返礼品として受け取って食べて美味しかったなぁ...。で満足しがちですがキチンと”確定申告”しましたよ。
確定申告も生まれて初めてだったので正しくできているのか,正しく計算されるのか不安がありました。
年に1度しかやらない作業ですから,初めてでない人でも誰もが不安ですよね。
そこで,私を含めふるさと納税初心者さんの不安を解決すべく,確定申告が正しく税金に反映されているかの検証結果をまとめてみました。
やってみたら簡単なことでしたが,端数処理の関係などで金額がぴったり合わないため毎度毎度どうやって計算するんだっけ?となると思い,来年の自分のために今回確認した内容を書き留めておきます。
この記事を読めば来年の6月に控除額のチェックがスムーズにいくことでしょう。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税の基本的な仕組みを”総務省のふるさと納税ポータル”の図で簡単に説明します。
ふるさと納税は,①自分の居住している自治体以外の自治体に寄付する制度で,寄付した自治体から寄付額の約30%に相当するその地域の特産品(肉,野菜,果物など)を返礼品として受け取れます。
②ふるさと納税先の自治体に寄付をしたらその証明として”寄付金受領書”が送られてきます。
出展:総務省|ふるさと納税ポータルサイト
ふるさと納税の寄付金は2000円の自己負担額(手数料と理解)を引いた残りを,所得税と居住する自治体の住民税を減らすという方法で形を変えて自分に戻ってきます。
その手続きは
- ①ワンストップ特例制度
- ②確定申告
の2つから選べます。
①ワンストップ特例は寄付先の自治体数が5カ所以下の場合のみ利用できる制度で,申請書と本人確認書類の提出で手続きが終わるとても簡単な処理です。
ワンストップ特例を利用した場合は次に説明する”確定申告”と異なり,住民税からのみ減額(控除)され所得税の還付はありません。
出展:総務省|ふるさと納税ポータルサイト
私の場合,10の自治体に合計8万1000円分寄付したので”②確定申告”をして,2000円の自己負担を引いた金額が所得税と住民税から合計7万9000円控除されていれば正しく処理が出来ているということになります。
所得税の還付金を確認する方法
まずはじめに,確定申告をすると所得税の還付が先に行われ,銀行口座に還付金が振り込まれます。
私の場合所得税率が約20%なので,7万9000円の20%≒16000円程度の還付金が振り込まれていれば適正に処理されていると判断できます。
実際はもう少し細かい計算で算出されますが,手間をかけても大差ないので私は概算額が合えば納得することにしています。
私の2020年分の還付金は16080円ありましたので全く問題なしです。
還付金は振込先口座の確認をしなくても”国税還付金振込通知書”が届くのでそちらでも確認できます。
住民税の控除額を確認する方法
続いて,住民税の説明に入りますが,もう一度ふるさと納税の仕組みを確認しておきましょう。
ふるさと納税は自分の居住する自治体以外に寄付(ふるさと納税)した後に寄付したことを申告すると,所得税や自分が居住している自治体の住民税が寄付金額に応じて控除(減らして)もらえるという制度です。
寄付したお金が税金の返還という形で戻ってくる(自己負担2000円必要)ので税金の前払いをしたら返礼品をゲットできる制度ともいえます。
それでは住民税の確認方法に進みますが”ワンストップ特例”を利用した場合と”確定申告”した場合で最後の計算が少し異なります。
まずは両方に共通する確認作業からです。
住民税の確認には毎年5月から6月にかけて市区町村から発行される”給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書(以降は”住民税通知書”と呼びます)”を使用します。
私はサラリーマンなのでこの”住民税通知書”を会社から渡されますが,これはあくまでも自治体が住民税の計算結果を知らせるために発行したものです。
まず初めに見るところは「摘要欄」です。
親切な自治体だとふるさと納税の寄付金控除額が摘要欄にズバリ記載してあるそうで摘要欄に記載されていれば確認は一瞬で終わります。
残念ながら私の居住する鳥取市の住民税通知書には一切記載されていませんでした。
摘要欄に寄付金控除額の記載がない場合
摘要欄に寄付金控除額の記載が無い場合,計算して確認する必要があります。
ワンストップ特例を利用した場合
まず,住民税決定通知書の ”税額” という欄を見てください。
”税額”欄に番号がふってありますが,そのうち ”⑤税額控除額” というのが今回見るところです。
ふるさと納税以外にも住民税を引く(控除する)制度はあるので,その申請をした場合は同様にここで引いてもらえます。
注意しないといけない所は”⑤税額控除額”には,納税者全員が一律で控除される制度があって,市民税で1500円,県民税で1000円の合計2500円を「調整控除」として毎年引かれているということです。
それでは簡単な計算例を用いて確認の方法を理解しましょう。
ある一つの自治体に10000円のふるさと納税をした後にワンストップ特例で寄付金控除の申請をした場合の市+県の住民税控除額は
(市民税の⑤税額控除額ー1500円)+(県民税の⑤税額控除額ー1000円)です。
これで算出した金額が,納税額(計算例では10000円)ー自己負担額(2000円)と同じなら控除の処理が正しく行われているということになります。
ただし,端数処理の関係で若干のズレは生じるものと理解しておきましょう。
確定申告をした場合
先ほどの計算例は処理が簡単なワンストップ特例の場合を説明しましたが,続いて確定申告をした場合の確認方法を説明します。
処理の違いは確定申告の場合,先に所得税の還付金を受け取ってしまっているという点です。
私も2020年分は初めて確定申告をしましたので以下の計算方法で確認しました。
まず,大前提としてワンストップ特例で申請しても確定申告をしても税金の返還に金額差は無いと理解しておきましょう。
つまり,確定申告をすると所得税と住民税の両方が引かれてお得と勘違いする人がいますが,これは間違った理解で,正しくは返還される税金が所得税と住民税に分けて返還されるため結果は同じということです。
これを踏まえて確認手順を説明しましょう。
1.ふるさと納税額から自己負担額と所得税の還付金を引く
私の場合:81000円ー2000円ー16080円=62920円
2.住民税決定通知書の市民税控除⑤と県民税控除⑤の合計から調整控除の2500円を引く
私の場合:39221円+26184ー2500円=62905円
3.1と2を比較すると15円の差はありますが,ほぼ同額ということで検査合格です。
おそらく端数処理の関係でうまく合わないのでしょう。
6月以降の住民税がきちんと毎月約5200円免除されることになっています。
ふるさと納税以外に医療費控除や住宅ローン控除などほかの控除がある人はそれぞれの控除額を差し引けば同様に住民税控除額がわかります。
控除額に漏れがあった場合の対処方法
ふるさと納税額と控除額に大きな差があった場合は最寄りの税務署等に問い合わせしてください。
ふるさと納税を行った翌年から5年間は、再度控除の申請が出来るようです。
そのためにも寄付金証明書は控除が適正であることを確認するまで大切に保管する必要があります。
まとめ
ふるさと納税は税金を前払いすることで返礼品が大量にゲットできる制度だと私は解釈しています。
やっている人は「やらない理由はない!」と口々に言いますが,返礼品がいつ届くか分からないことと税金の後処理を自分でやらないとお金が帰ってこないことはデメリットだと思います。
とは言え,慣れてしまえば確かに「やらない程の理由にならない」最高な制度です。
今回の記事では返礼品を選ぶところや返礼品のレビューを書いていないので魅力が伝わらないと思いますが,後日2021年のふるさと納税はそのあたりも記事にしていきたいと思います。
今年はまだ1箇所も寄付していないので早速来週の楽天お買い物マラソンの時にいくつか寄付をします。
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