先日再塗装した鉄ちんホイールにアルミホイルからスタッドレスタイヤを移植しました。
今回は手組み素人の私でも一本30分でできた方法5ステップを動画と図解付で皆さんにお教えします。
車を何台も持っているご家庭では同時期にタイヤ交換が重なると結構な出費になりますよね。
この記事を読めばタイヤをネットで購入し,自分で組みつけることができるスキルを身に付けて大幅な節約ができるようになります。
【注意】
この記事では自動車整備経験ゼロの素人が他の方の動画等やブログを見聞きして勉強したうえでタイヤ(手組み)交換にチャレンジした記録です。私なりに原理構造を理解したうえで自信を持ってチャレンジした結果であり多くの人にオススメしたい内容ですが,人には予備知識や体力に個体差がありますし,タイヤの種類も違うので,物によっては手間取ったりタイヤを損傷してしまう場合もあるかもしれません。
これを踏まえてしっかりと準備(勉強)して頂き,実施される際は自己責任にて挑戦されますようお願いします。
【超重要】タイヤの手組みに必要な基礎知識(ホイールの構造)
タイヤを手組みするためにはタイヤとホイールの構造を知る必要があります。
タイヤホイールの断面は上の図のようにになっています
タイヤは内部の空気圧によってホイールの縁に押し付けられ固定しています。このタイヤ側の接触面(●の所)を「ビード」と呼び,ビードの接するホイール面をビードシートと呼びます。
そしてホイールの中央部にある最も深い溝を「ドロップ」と呼びます。
この「ドロップ」をいかに使うかが手組みの”最重要ポイント”といえます。
詳しくは各ステップで解説しますのでここでは「ビード」と「ドロップ」と言う言葉と部位を理解しておきましょう。
タイヤの手組みの準備
タイヤの手組みをするには道具・材料が必要となります。
以下に私が使った道具・材料を表にまとめました。
品 名 | 価格 |
タイヤレバー3本&ホイールプロテクター4本セット | 1650円 |
ビードクリーム | 880円 |
エアーバルブ (50個入り) | 1150円 |
バルブインサーター | 480円 |
バルブドライバー | 120円 |
エアーゲージ | 420円 |
CRE 5-56 | 在庫品 |
段ボール | 0円 |
合 計 | 4700円 |
タイヤ交換以外には使わない特殊なものばかりですが,金額はさほど高くありません。
1回の組み換えですぐに元が取れる額です。
タイヤの手組みの手順を動画付きで解説
タイヤの組み換え手順は大きく分けて次の5ステップです。
- ①ビードを落とす
- ②旧タイヤを外す
- ③バルブを付ける
- ④新タイヤを組む
- ⑤エアー漏れチェック
中でも最も苦労するのが①のビードを落とす工程だと思います。
今回はタイヤレバーだけでビードを落とす方法を解説しますが,改めて油圧ジャッキやパンタジャッキを使った落とし方も紹介したいと思います。
最初の準備として,作業中にホイールとタイヤが傷つかないように大き目の段ボール敷きます。
そして,バルブドライバーでバルブ中心のムシを回して中の空気を抜きます。ムシは無くさないようにバルブキャップと一緒に保管しておきましょう。
タイヤレバーだけでビードを落とすコツ
まず最初にタイヤとホイールの間に潤滑剤としてCRE5-56を吹き付けます。
続いてタイヤレバーを使います。私が手書きした断面図のようにホイールとタイヤの間を広げるようにタイヤレバーを押し込んんで,テコの原理を使ってあせらずゆっくりと固着を剥がすつもりで1周まわります。
そして2周目からはタイヤレバーと膝をうまく使ってビードをハンプより下に押し下げるようにこじっていきます。
最も苦労すると思われるこの工程を文章だけで表現するのは難しいため。動画を撮影しましたのでご覧ください。
ビード落としの工程では,ビードをビートシートからハンプを乗り越えてドロップまで落とすイメージを持つことが大事です。
図のⒷのタイヤレバーはビートシートまでコツンと当たるまで押し込み,その位置で上に引き上げることで反対にビードが押し下げられハンプに近づき超えるようになります。
さらに,タイヤを膝で押しつぶしながらやることでビードが落ちやすくなります
撮影の時にはビードが落ちるまで何周でも回るつもりでいましたが,2週目以降は半周の往復でもOKだとあとから思いました。
1カ所が落ちれば後は足で踏みながらぐるっと1周することでビードを完全に落とすことができます。
表面ができたら裏面も同様の方法でビードを落とします。
旧タイヤを外すコツ
まずはタイヤの表面のビードをホイール表面のフチを超えて外に引き出します。
ポイントは以下の2点です。
- ビードクリームをたっぷり塗って滑りやすくする
- 片側のビードを常にドロップに押さえつけておく
再度タイヤの断面図を確認しましょう。
タイヤのビードの内径よりも大きいホイールの縁の部分を越えて外すためには構造の理解が必要です。
まず片側のビードをホイールの最も深い溝(ドロップ)に押し当てます。
このためには片側のタイヤの上に靴を履いたまま乗り込みビードの位置を調整します。
図の靴の絵に書いてある矢印方向の力をかけることが重要です。
これによって対角線側のビードをホイールのフチ付近まで寄せる余裕ができてきます。
極限まで寄せた後はタイヤレバーでビードを引っ掛けて,ビードを引き伸ばしながらホイールのフチを超すようにテコの原理で引き上げます。
これも文章では表現しづらいので動画をごらんください。
1カ所がホイルの縁を超えたら,後はその数センチ横を同じ様にタイヤレバーで引っ掛けてホイールのフチを超えさせていきます。
3分の1も超えたら残りは手で引けば外れることでしょう。
もしも外れなければビードクリームが足りないかドロップからずれていることを疑いましょう。
続いてタイヤの内側のビードを外す方法ですが,これもドロップを活用する点は全く同じです。
ドロップに押し付けているビードと反対方向のビードをタイヤレバーで引っ掛けた後,その横をハンマーで叩くと徐々に外れると言うやり方もあるようですが,私は動画のとおりうまくいきませんでした。
私が持っている短いタイヤレバーだと難しいので,今回はタイヤレバー数本でひねって外すことにしました。
いずれの方法もタイヤレバーを当てるところにはリムガードをつけた方がタイヤレバーでホイールに傷をつけることが少なくなります。
エアーバルブを取り付けるコツ
ホイールの内側から新品バルブを押し込み,外側から引っ張ることでバルブが取り付けられます。
今回はバルブを取り付ける専用工具を使用しました。
バルブのネジ溝を潰さないようにナットとワッシャーをかければ,プライヤーで引っ張ることでも取り付けは可能です。
新タイヤを組付けるコツ
まずはホイールを表側を上に向けて床に置き、上から覆い被さるようにはめ込みます。
その前に,ホールのフチとビードにたっぷりとビードクリームを塗っておきましょう。
新しいタイヤの取り付けは体重を生かせる点で外す時より楽だと思います。
まずは床に置いたホイールに手前側だけタイヤをはめ込みます。
そして新タイヤをはめ込むコツは次の通りです。
- 両膝でタイヤを押し付けビードをドロップに近づける
- ビードをドロップに近づけるためには体重を乗せ過ぎず床から少し浮かせる
手前のビードがドロップにしっかりはまったら,あとはタイヤレバーを使って反対側のビードをテコの原理で引き伸ばしながら,ホイールのフチを乗り越えさせます。
タイヤの裏側がハマったら表側をはめる際にはタイヤの上に靴で乗って,タイヤを踏みながらビードとドロップの位置をうまく合わせて行きます。
後はタイヤレバーではめ込むのですが,あまりにも固いと感じたときにはビードがドロップの位置からずれていることが考えられます
速やかにビードの位置を調整しましょう。
両面のタイヤがはまったら,隙間が均等になるようにタイヤを回転させながら上から落としてなじませます。
組み終わったタイヤに空気を入れるコツ
タイヤが組めたらいよいよ空気を入れます。
我が家には空気入れがないのでガソリンスタンドで空気を入れてきました。
タイヤを組んだ時点ではビードがドロップ付近にいますが,空気を入れると内部圧力が高まるとともにビードがハンプを乗り越えてビードシートまで上がってきます。
この時,表と裏のビードが上がった瞬間にそれぞれパーン,パーンと大きな音が2回鳴ります。
ビードが上がったら均等にはまっているか目視で確認しましょう。
最後にビードとバルブ周りから空気が漏れていないか石鹸水をかけて確認します。
内部の空気が漏れていない時でも,ホイールとビートの間に空気が閉じ込められ,徐々に漏れ出すことで気泡が連続発生する場合もあるようです。
この時はタイヤレバーなどで隙間を少し広げて,挟まった空気を抜いてあげましょう。
タイヤの手組みによるメリット
最大のメリットはやはりコストです。
タイヤ組み付けの工賃が一切かからないのでご自宅の車両台数が多いほどメリットは大きくなります。
タイヤの組み換えは1本あたり1000円から2000円の工賃がかかるため1台あたり6000円前後は浮く計算になります。
先に紹介した工具類は1回の組み換えで元が取れることになります。
タイヤの手組みによるデメリット
素人のやる作業ですから少なからず危険を伴います。
また慣れないうちはホイールに傷をつける可能性もあります。
この2点が呑み込めない人はやらないほうがいいでしょう。
今はだめでもいずれは手組みをマスターしたいと思っている人は,ジモティなどで練習用に”ホイール付きの中古タイヤ”手に入れることをお勧めします。
私も今回動画を撮影する前に3回ほど取って着ける練習をしておおよそコツがわかりました。
また、自宅ではバランス調整はできません。
これには2通りの考え方があるようですが,最近のタイヤは高品質なため大きなアンバランスは無いと言って,振動やハンドルのブレが生じなければ問題ないという意見に私は賛同します。
仮に振動やハンドルのブレが生じたときには,怪しいタイヤを1本別のタイヤに取り替えてみて改善されるか試すことでアンバランスタイヤを特定することができます。
後はそのアンバランスタイヤだけを組み直すか,ガソリンスタンドでバランス調整してもらいましょう。
まとめ
タイヤの手組みはタイヤとホイールの構造を理解してコツをつかめば素人の私でもできる作業です。
特殊な工具も必要ですがそれほど高価なものではありませんので1回で元が取れます。
あくまでも自己責任にはなりますが理屈をよく理解された上でマスターすることができれば,かなりの節約にになるDIYと言えます。
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